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「アンナ、起きろ。」
耳元で何回も怒鳴られ、私は重たい瞼をゆっくりと開いた。
「…寒い…」
バサッ
投げられたのは、私の身長より、長そうなコート。
「それを被ってついてこい…早くしろ!」
そう言うとサクサクと歩き出した。
サクサクって…
「ここ何処!?何でこんな所にいるのー?」
真っ白な雪景色。
360°全てが雪。。雪。。雪。。
真っ直ぐに歩きたくとも、吹雪で進めない。
と思っていたら…
前を歩いていた淋の姿が見えなかった。
「え?嘘!!(こんな所で一人なんかにしないでよ!!)リーーンーー!!何処ー?」
大声で叫ぶが、吹雪で全く分からない。
「このままじっとしてたら、死ぬ!!」
歩き出そうとするが、此処が何処なのか・淋が何処に行ったの分からないのだ。
「歩いていれば大丈夫よ」
そう自分にいい聞かせるように、吹雪の中を歩き出した。
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