1927人が本棚に入れています
本棚に追加
入学式後の教室。
席は既に決まっていて、晴海の席は後ろから二番目のドア際。
LHRが始まるのを待ちながらぼんやりとしていると、自分のすぐ後ろのドアが開いて受付の男性が入って来た。
「ん?」
ばっちり目が合ってしまう。
「おう、遅刻少年。やはり俺のクラスだったか」
男性は、わっはっは、と豪快に笑いながら教壇に立ち、教卓にバシンッと出席簿を叩きつけた。
「俺は三住武蔵(ミスミムサシ)ニ十七歳独身、彼女無し。誰か紹介してくれ。科目は英語だ。以上」
軽く自己紹介を終わらせると、教室内を見渡し、
「今日の時点で遅刻者ニ名。正義のヒーローの中野政宗(ナカノマサムネ)と方向音痴の高臣晴海。明日から気をつけること」
三住は晴海と、その隣に座っている髪を肩まで伸ばしたジャニーズ系の男子を見るとにかっと笑った。
あ…この人…校門で会った人だ…
「さて、本題に入るが…」
LHRは始まったが、三住がめんどくさがりなのか、どこのクラスよりも早く終わる。
晴海は教室を出て寮へと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!