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「静かにしな。ユウトを除いた庶民ども!!」
けして大きくはないのだが、凛として良く響く声が食堂を支配した。
「あら?皇(コウ)じゃないの」
秋晴が嬉しそうに呼び掛ける。
皇?
何処かで聞いた名前だな…
と考え込むと、
「会長」
観月が嫌そうに皇に呼び掛ける。
どこかで見たのも当たり前、晴海は彼が生徒会長の伊集院皇(イジュウインコウ)であることに気付いた。
「俺は庶民じゃありません」
「五月蝿い、庶民」
ズバッと言い切り、生徒会長、伊集院皇は黒ぶち眼鏡をずりあげながら秋晴を見た。
「ユウト、君は寮長だ。そんな君が率先して問題を起こしてどうするんだ」
きっぱりと言ったのだがすぐに態度は変わり、皇は秋晴にふにゃん、と抱きついた。
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