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しばらくして、タクシーは学園の前に止まった。
「陽明学園って、随分と山奥にあるんですね」
晴海が呟くと、運転手は
「みんなそう言うよ、気を付けていってらっしゃい」
と笑った。
タクシーを降りると、高い門の前に立つ。
監視カメラが自分の方を向いたので、心底驚いた。
それにしても…
「この門はどうやったら開くんだろ?」
呟くと、
「ぶっ」
と、いつの間にか隣にいた男子生徒が吹き出した。
晴海が赤くなり彼を見つめると、
「悪い悪い」
とクスクス笑いながら、門柱にあるセキュリティーシステムに生徒手帳に内蔵されているIDカードを押し当て、中に入って行った。
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