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受付に行くと男が一人、気だるそうに晴海を見た。
「遅刻理由を述べよ。場合によってはお前入学取り消しな」
「え?!」
困り顔の晴海をみてにやりと笑う。
「道に迷いました」
適当な理由を言うと、男はつまらなそうな顔をした。
「んだよ、嘘でも私は正義のヒーローで怪獣と壮大な戦いを繰り広げていました、くらい言えよな」
「誰も言いませんよ、そんなの」
晴海が笑うと、男はひそひそ話をするように身を乗り出すと、
「それがよ、さっきいたんだよ」
「え?!」
「何て名前だったかなぁ…中…中…」
男が考え込むが、
「僕…中に入っていいですか…?」
晴海の一言で、はっとすると男は晴海を体育館の中へ投げ込んだ。
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