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ヒアは膝を抱えて冷たい牢の中で一心に彼を待ち続けていた
「きっとゼアはもう少しで来てくれるわ。」
彼女は顔も見知らぬ少年に思いを馳せる
それだけがこの世界で唯一の寄りどころだから…
「そしたら私はゼアにこう尋ねるの!外の世界はどうなってるの?ここまでどんな冒険があったの?」
その時のことを考えると自然に笑みがこぼれる
この暗くて狭い石棺で生きていける
少しの強さを分けてくれる
「今もきっと私に向かっているのね」
運命は『その時』にゆっくり近付いていく
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