第一章 出会の街角

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まだ日が昇っていないからか、街の中はほの暗い。 レンガ造りの道を黒髪の少年が駆けてくる。歳の割には小柄で細身。 なんだか嬉しそうで、時折ステップが混じる。 見ているこちらが恥ずかしいぐらいだ。 「おばちゃんおはよ!」 「おはよう、イル。何か嬉しい事でもあったのかい?」 花に水をあげる手を止めて、少年に話しかける。 少年は元気に首を縦に振り、手に握りしめた物を見せてくれた。 「受かったんだね?」 「うん、今日から僕もハンターだよ!これでみんなに楽をさせてあげれる。」 この家族思いの少年は、大事にそれをしまうと、街の中心に向かって走り出した。 「いってらっしゃい。」 「うん!」 少年が角を曲がり見えなくなった頃、ちょうど日が昇った。
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