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ギィ────ッ
意外と楽に開いた扉は、ガコンと音を立てて外れた。
"ひぃっ!?"
心臓が早鐘のように鳴り、どうしようと周りを見渡す。
「…だ、誰も…。」
「あ、壊した。」
「ぎゃぁ──ぁっ!」
誰もいないと確認したのに、声は意外な所から降り、イルの心臓を縮める。
恐る恐る振り返ると、金髪の男が「何してんだ?」と物言いたそうな顔で覗きこんでいた。
「あの、これ…その…。」
「また外れただけだよ。気にすんな。」
蒼の双眸をにゅっと細めて、男はイルの肩を叩く。
一気に気が抜けたイルを見て、男は楽しげに笑いをこぼす。
「申請に来たんだろ?早く入れ入れ!」
「あ、はい。」
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