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天国の掟
「天国へようこそ!」天国にやってきた三人の女達を歓迎して、天国での生活について聖ペテロはこう説明した。「ここに来る者は、真面目で信心深く、そして地上でひどく苦しんだ善男善女ばかりじゃ。生きている時に苦労した分、是非楽しくやってもらいたい。美食や美酒を楽しむも良し。男と楽しむも一向にかまわん。ただし、アヒルだけは踏んではならぬぞ」
ウキウキと天国の門をくぐった女達だったが、すぐに天国がアヒルだらけであることに気づいた。アヒルを踏まずに歩くことは実際容易なことではない。
一番目の女がアヒルを踏んでしまった。
その途端、聖ペテロが現れ,一番目の女をとんでもないブ男とを鎖で繋いでしまった。
「アヒルを踏んではならんと言ったじゃろ?これは罰じゃ」
残りの二人の女は,細心の注意を払って歩くようにしていたが、一週間後。二番目の女が足下に潜り込もうとしたアヒルを避けようとして別のアヒルを踏んでしまったのである。
現れた聖ペテロは、今度は眇めで口のひどく臭い男を連れていた。男はオマケに歳も取っていた。
ブ男達と繋がれて毎日泣き暮らす二人の女を目の当たりにした三番目の女。その轍だけは断じて踏むまいと、一歩進んで前後左右をよく確認し慎重の上にも慎重に足を運ぶようにし、こうして無事数ヶ月の時が流れたのである。
そんなある日、突然現れた聖ペテロは彼女を引っさらい、気がつくと彼女は信じられないほどの美男子と鎖で繋がれていた。
聖ペテロは美男子に向かってこう言っていた。
「アヒルを踏んではならんといったはずじゃ」
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