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危険な乗馬
ブロンドのジェニーは,乗馬の経験はまだ一度もなかったが,この機会に挑戦してみることにした。
「えいっ!」思い切りのいい彼女が人の手も借りずに馬にまたがると,馬はゆっくりと走り出した。馬は,彼女が想像していたよりリズミカルな乗り心地だったが,乗馬に慣れない彼女は,やがて自分が鞍からずり落ちかけていることに気づいた。
彼女は,体勢を立て直そうと馬のたてがみに手を伸ばしたが,あせっている彼女にはどうにもうまくつかめない。そんなことはおかまいなしに,馬はもくもくと駆け続けている。パニックに襲われた彼女は両腕で馬の首にしがみついたが,か細い彼女の腕から 徐々に力が抜けていく──ついに彼女は,走っている馬から飛び降りる決意し
た。
ところがである。あぶみから足を外すのを忘れた彼女は後ろ向きに倒れてしまい,馬に引きずられながら地面に何度も何度も頭を打ち付けられた。
とぎれようとする意識の中で彼女は必死に叫んだ。「助けて・・・誰か助けて」
幸いなことに係員がすぐ気づき、電気を切ってくれたのだが。
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