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恵比寿さまが住まわれる大きな社。
お仕えの方に用件を伝えると、快く引き受けて下さいました。
恵比寿さまはお優しい方ですから、私のような力の弱い神にも会って下さるのですね。
何だかドキドキしてきました。
案内され、恵比寿さまがいらっしゃるのをひざまづいて待つ間、私の頼みを聞いて下さるかどうか、そればかりが心配でした。
やがて、着物をこする音が聞こえてきて、顔を伏せた私の前に、ゆっくりと大きな気配を纏った方が座るのがわかりました。
「顔をあげなさい。」
声を掛けられて、はい。と返事をして顔をあげると、
そこには、あの恵比寿さまがいらっしゃいました。
掛軸などで拝見するお顔よりも、より一層威厳に満ちた風格の恵比寿さまは、優しく微笑んでおられました。
「今日はどういった用件かな。」
そう問われた私は、素直にここに来た経緯を話しました。
私の家族に、金運を呼び込んで欲しいと。
つまり、恵比寿さまのお力で、私の家族が『宝くじ』に当たるようにして欲しい。
私は一生懸命話しました。
私の家族の為です。
恵比寿さまに聞いて貰えるように、必死で話しました。
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