神棚の神様

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全て話し終わると、恵比寿さまは困ったように笑われて、 「そうするのは一向に構わないのだが、お前は本当にそれでいいのかね。」 心から心配そうに、そう仰いました。 私は、何故恵比寿さまがそんなことを尋ねるのかよく分かりませんでした。 ですが、家族の為にはなんとしてもお願いを訊いて頂かなくてはなりませんから、私は分かったように頷いて、 「私は構いません。私の家族の為に出来ることをしたいのです。」 と答えました。 私の答えに、恵比寿さまは少し沈黙なさって、ふぅ、と息を吐かれました。 「よかろう。そなたの願い、訊き入れるぞ。」 その言葉に、私は嬉しくて飛び上がりそうになりました。 「私の力を分け与える。持ち帰って毎日願い続ければ、必ずその『宝くじ』とやらは当たるだろう。」 恵比寿さまが手招きで私を呼ばれたので、近くに寄ると、 「これを大切に持っていなさい。」 懐から水晶玉を取り出して私に与えて下さいました。 私は何度も何度もお礼を言って、深々と頭を下げました。 恵比寿さまはなんとお優しいんでしょう。 私の頼みを訊いて下さるなんて!
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