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「頑張りなさい。」
恵比寿さまは最後にそう仰られて、去って行かれました。
私は元気よく返事をして、恵比寿さまが見えなくなるまで頭を下げてお礼を言い続けました。
恵比寿さまから頂いた水晶玉を大切に持ち帰って、それから毎日、私は願い続けました。
『宝くじ』が当たりますように。
私の家族に幸せが来ますように。
毎日、毎日、1日中願い続けました。
そして、
年が明けようとする数日前の事。
お父さんが、意気揚々と帰って来ました。
「当たった!当たったぞ!」
そう叫びながら家中を駆け回るお父さんに、家族は最初変態でも見るような目付きでしたが、お父さんが何で喜んでいるのかを把握した途端、家中に歓喜の声が響き渡りました。
そう。『宝くじ』に高額当選したのです。
それを聞いた私も、余りの嬉しさに飛び上がりました。
よかった!私の願いが叶いました。
毎日毎日、願い続けた甲斐がありました。
ああ、本当によかった。
私は思わず涙をこぼしました。
恵比寿さまに感謝します。あの方が力を分け与えて下さらなかったら、私はこんなに嬉しそうな家族の笑顔を見る事は無かったでしょうから。
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