性悪男達との出会い

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    「ふざけんな」 ―ビリビリ 意味の分からない内容の手紙を引きちぎったために、鈍い音でそれはヒラヒラと宙を舞った。 ここは電車の中なのでなるべく聞こえないように呟いた言葉だったんだけど、どうやら聞こえていたらしい。 周りに居る人がチラチラと自分を見ている事に、小さくため息を吐く。 向かい側の窓に映っている自分は表情が無く、手には破られた手紙が。 右耳に付けている青いピアスに無意識のうちに触れていて、またため息を吐いて手を下ろした。 今日は、私立心学高校の入学式。 朝 起きたら両親の姿が無く、テーブルの上に置いてある手紙を発見した私は、登校ギリギリの時間帯だったために電車の中で手紙を読む事にしたのだけども 内容がアレだったのだ。 引きちぎりたくもなるでしょ。 …周りの視線がイタいけど、この際シカトする方向で。 ていうか何あの腹立つ手紙は。 書き方がいちいちイラってくるんだよ。 しかも思いっきり母さんとイチャつきたいからあたしだけ残して行っただけだろーが。 なにが(笑)だよ。イライラすんですけど 手紙を書いた馬鹿親父への不満を心の中でぶちまける。 おそらく、父が直接自分に言わなかったのは、私がキレて殴る事を予想していたからだろう。 お望み通り、帰って来たら真っ先に殴ってやる。 そう固く決意して、タイミングよく止まった電車から降りた。  
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