きっかけ

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「ジグソーパズルだ」 司が答えた。 同い年の子との接し方がわからないのと、甘やかされろくに言葉遣いも注意されたことがなかった為に、どうしても口調がきつくなる。 だが女の子はそんなことお構いなしに笑顔だ。 「じぐそうぱずる??なあにそれ」 「これを形が合うとこにはめるんだ。完成したら絵ができる」 司はパズルのピースを1つ、はめながらいった。 「絵??見えないよ~」 女の子がじぃっと完成途中のパズルを見る。 それもそのはず。 司がしているパズルは大人でもなかなか解けない、何百ピースものパズルなのだ。 「ちょっと離れて上から見ればわかる」 司がもう1つピースをはめて言った。 女の子はその場に立ち上がり、イスを持ってきてその上に立ちそれをみた。 「わぁ~!!すごいすごい!ワンちゃんもにゃんにゃんもいる!」 女の子が目を輝かせて言った。
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