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私はお兄様の看護をした。
兄:「はぁ、はぁ、はぁ。」
兄はとても苦しそうだった。
目からは、ナイフをとったからだろうか包帯にまでしみる血が流れていた。
指が痛々しかった。
すべての爪が剥がされている。
嬢:「お兄様、お兄様どうかしっかりなさって!!」
兄:「真紀……本当にゲホッ、すまなかった。ハァ、ハァ、もう真紀と一緒にいてあげられない。」
嬢:「何をおっしゃいますの、お兄様!!私はまだお兄様と一緒に色々な所を見に行きたいのです。お兄様の言う素晴らしい世界を見に……。」
兄:「そうだな、真紀。一緒に見にいこうな。」
そうやってお兄様はにっこりほほえんで、いつものように優しい手で私の頭を撫でた。
これが最後だった。
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