EpisodeⅠ 端末都市#359

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「国際戦争公司から警告受けてた割には代わり映えしない作戦だなあ」 「『エンターテインメント性に欠ける戦闘を行う事に対する警告』って奴ね」 「?、何それ」 カインとマリィの会話を聞いていたティアの頭に疑問符が浮かぶ。 「まあ簡単に言うなら『派手で面白い戦闘をしなさい』という事だよ」 アレックスが笑いながらティアに答える。 DNAという組織は勝利を優先するあまりその戦闘スタイルが安全性を重視した地味なものに徹する傾向があり、限定戦争を主催する国際戦争公司からたびたび警告を受けていた。 限定戦争の戦闘中継は一種のビジュアル・エンターテインメントとしてあらゆる場所で広く人々に視聴されている。娯楽として提供されている以上、インパクトに富む見ていて面白みのある戦闘が推奨されるのは当然の事であるだろう。 「遠く離れた安全な距離で撃ち合うよりもぶつかりあう様な至近距離で殴り合え、という言い方もあるわね。射撃が格闘に劣るなんて私には納得いかないトコだけど」 「まあマリィさんの考えも分かりますが、それは今は置いておきまして」 横道に逸れてしまった話の内容をイザールが修正する。 「部隊の中核にはグリス・ボック、ベルメイトといったSAV(支援攻撃バーチャロイド)を配置。テムジン(旧型)及び10/80sp部隊はSAV部隊の護衛として配置されます」 「俺達は?」 「………遊撃部隊として存分に力を発揮してほしい、とのことです」
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