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DNA駐屯地内
紅の騎兵隊・母船
『アンタレス』
ブリーフィングルーム
「………………」
「またティアちゃんにからかわれたみたいね?」
仏頂面でブリーフィングルームに入ってきた弟を見て、マリィ・リーヴズは何があったかを察した。
「貴方もたまには笑って受け流せるくらいの器量をみせなきゃ。いつまでも変わらないわよ?それじゃ」
「悪かったね器量がなくて。あと変わらないって何が」
するとマリィは少し意地悪な笑みを浮かべながら含みのある口調で言った。
「それは…ねぇ。カインが一番よく知っているんじゃない?」
カイン、赤面。
「姉貴まで…勘弁してくれよぉ」
「あら、ごめんなさい」
カインの反応にくすくすと笑いながら謝る。
弟には悪いが、ティアがついからかってしまう気持ちが分からなくもないマリィであった。
「おや、二人だけかい?」
その時DNAの作戦会議から戻ってきたアレックスとイザールがブリーフィングルームに入ってきた。
「隊長、おかえりなさい」
「ティアは?」
「…連絡は入れたんでもうすぐ帰ってくると思うっす」
少々ぶっきらぼうに報告するカインを見てアレックスは小声でマリィに囁く。
「…またかい?」
「…またです」
「やれやれ、しょうがないな。しかしカイン君?」
まるでどこかの先生の様にアレックスはカインに話し掛ける。
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