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「君も男の器量ってやつをたまには見せてやらなくては。例えば…」
「…笑って受け流せる、ですか?姉貴にも言われましたよどーせ俺には出来ませんよ器量もなにも無いですよガキですよ子供ですよ…」
遂にどこか吹っ切れてしまったのか、カインは部屋の隅に座り込んでしまった。
「イッてしまいましたね」
眼鏡の位置をクイッと直してイザール。
「可哀想なカイン…」
両手で顔を覆いさめざめと泣くマリィ。
「ドクター、その言い方はひどいよ?マリィ、下手な芝居はやめなさい」
そして一人つっこみ役にまわるアレックス。
なんとなく部屋全体が変な空気になってしまった所に、そんな事お構いなしとばかりに明るい声が響き渡る。
「遅れてすいませーん!ティアイエル・ローゼンバーグただ今戻りましたぁ!」
全ての元凶、ティアが帰還したのだ。
「あれ?どしたのみんな?」
部屋の微妙な空気を感じとったのかティアが尋ねる。
アレックス達は何も言わずに部屋の隅を指差す。
「あれー、何してんのカイン?そんなとこで」
ある意味自分が原因なのを知ってか知らずか、カインに近づいていくティア。
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