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「ほらほら~ブリーフィング始まるんでしょ?」
カインの肩を掴み、ゆっさゆっさと揺らすティア。
「そんな所に座り込んでないでさ。私、本当の戦場に出るの今回が初めてだからカインの事頼りにしてたのに~」
「俺の事を…頼りに?」
『頼りにしてた』ティアのその言葉に暗く沈んでいたカインの顔に生気が甦る。
「まっかせとけって!先輩パイロットとしてバッチリサポートしてやるよ!」
「カインたっのもし~!」
ぱちぱちと拍手しながらティアはアレックス達の方を振り返り『これで大丈夫』とばかりにウインクをした。
「ま、いつもの鞘に納まったか」
「ですねぇ」
やれやれとばかりにアレックス達は肩をすくめた。
「さて、それでは今回の作戦行動の説明を始めます」
とにもかくにもようやくブリーフィングが始まった。イザールが部屋に備え付けられた大きなスクリーンの横に立ち進行役を務める。
「今回の戦場は端末都市(ターミナルシティ)#359。高層ビルディングが建ち並ぶ市街地と、海岸部の比較的開けたウォーターフロント、この二つが主な戦闘区域となるでしょう。我々が所属するDNAは市街地側に部隊を展開、建造物を盾にしつつアウトレンジからの砲撃でRNA部隊の殲滅を狙います」
スクリーンに映し出された端末都市の地図を指し示しながら、イザールはDNAとの会議で決まった作戦行動を説明していく。
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