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城内に入り、今居場所の分かっているラファエルの部屋へ飛んでいくウリエル。
「ラファ!居る!?入るよ!」
彼の自室の扉を開けて中で、お茶を飲んでいたラファエルの腕を掴む。何事かとびっくりするラファエル。
「何だよっ!?」
「呑気にお茶なんか飲んでる場合じゃないよ!サリエルが大変なの!早く来て!」
ウリエルの尋常でない取り乱し方に、ラファエルは事態を把握してサリエルの下へ急ぐ。
再び広場に着くとサリエルは先程と変わらず倒れていた。
「ラファエル様!!ウリエル様」
「一Σサリエルっ?」
サリエルに近付き、彼女を抱き抱える。ここへ来る途中でウリエルから状況は聞いていたので、今のサリエルがどういう状態なのかも分かる。
「あたしじゃサリを連れて飛べないの!『封印の鍵』はサリエルが持ってるけど、これもサリ自身で出来ないし」
意識を保つので精一杯のサリエルと、ただならない雰囲気のラファエルとウリエルを見ていて、さすがに幼天使達も事態の深刻さに気付いていた。
「大丈夫よ、サリエルなら心配いらないから。あなた達は家に帰ってなさい」
ウリエルは幼天使達に言うと、サリエルをだき抱えたラファエルのあとを追って、城内へ戻っていった。
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