第3話『ファルシオーネ王国』

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天空に浮かぶ王国。この世界には、そんなラピュタのような国も存在する。 一一ファルシオーネ王国。一人の女王に仕える四大天使と、統一者である「カルーア・ファルシオーネ」によって、はるか上空でひっそり暮らしている。天界の名でもしられるこの国は、有翼人を中心とした住人が居る。 「ルシウス皇子!!何処ですか!」 腰まで伸ばした金髪に天輪、背中に四枚の純白の翼を持つ青年。天界ファルシオーネで女王カルーアに仕える四大天使の1人、ラファエルは女王の息子であるルシウス皇子を探していた。 「あの、風船皇子ιまた皇室を抜け出して、どっかいきやがったなι」 ルシウスはファルシオーネの次期王位継承者であり、皇室の第一皇子である。…が、先程ラファエルがつぶやいたように、放浪癖のある少し困った皇子だ。一通り、城内を探したが、ルシウスは見つからない。 「ラファ?皇子は居たの?」 ラファエルに声を掛けてきたのは、彼の同僚で同じくカルーアに仕える四大天使の1人、サリエルだった。 「サリ。駄目。見つからねぇιまたカルーア様に…」 「ラファは皇子の教育係りでもあるものね」 くすくすと笑うサリエルに、頭を掻きながら、ため息を着くラファエル。 「まったく!俺、皇子の教育係りやめたいよ」
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