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サリエルとラファエルが、ルシウス皇子を探している中、当のルシウスは、王国の外れにある郊外の大きな門の前に居た。天空に浮かぶファルシオーネと下界を繋ぐ扉。下界へ降りるには、この門を通らなければならないからだ。
「ここを開けたら、ラファ達に気付かれるだろうなι」
ルシウス・ファルシオーネ。カルーアの息子である彼は、長い銀髪にエメラルドグリーンの瞳、背中には大きな純白の翼をもつ19歳の青年。
一銀髪の天使。正式名称は有翼人聖魔族…天人。もちろん彼の母、カルーアも天人。ほかの種族と比べて、桁違いな魔力を持つ種族だ。そして、天人にはほかの種族には出来ない能力がある。
「空間移転瞬間移動能力」つまり、テレポーテーションである。
「ここから行けば、うるさいラファに絶対気付かれるもんなぁ。だから、僕はここは使わない♪」
ルシウスは扉に背を向け、飛び立った。瞬間移転を始めたルシウスは、上空でその姿を消した。
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