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「セルシアー!!散歩に行かないか~?」
ちょうど、セルシアの部屋の窓の下でルシウスが、セルシアに呼び掛ける。
「ルシウス皇子…?」
「天気もいいしさ、たまにはカイリだけじゃなく、僕とも付き合ってよ」
結局、ルシウス皇子はあの事件以来、片翼の天使に居ついている。皇子という立場を特に乱用したりはしないが、彼がセルシアに好意を抱いているのは、誰の目にも明らかだった。
「いいですよー。ルシウス皇子」
「ルシウスでいいよ。降りておいでよ!ルディさんにも、買い物頼まれてるしさー、いまから行こうよ」
「うん。今そっち行くね!」
セルシアは窓から飛び降りて、翼をはばたかせ、着地する。そしてルシウスの隣に並んで市場の方向へ歩いていった。
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