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(結局…あたしは、ここに来るしかないのか…?)
セルシアは再び片翼の天使の前に戻ってきていた。しかし中に入ろうとはせず、入り口の前に数時間ずっと立っていた。
「セルシアが天人覚醒したなら、捜しに行かないとだろ!」
いきなりドアが開いて、ルシウスがどびだして来た。先程ファルシオーネから戻ってきたばかりの彼は、セルシアの覚醒をラルクから聞き、セルシアを捜しに行こうとしていたのだ。
「一!セ…セルシア!?」
開けた瞬間、扉の前に立つ銀髪の少女に驚くルシウス。それは一目でセルシアだと解る。
「…?誰…?あんたも、あたしを知ってんのか?」
ルシウスがセルシアを知っていても、記憶の無いセルシアはルシウスを知らない。自分と同じ容姿の彼を見るセルシアにルシウスは
「…君…記憶が!?…僕はルシウス。君の実兄だよ」
と、優しく話す。そして、ルシウスが入り口で誰かと話しているのに気付いたのか、ルディが中から扉を開けて出てくる。
「?ルシウスさん?誰かいらっしゃるのですか?…!!セルシアさん!!」
セルシアが入り口にいるのに気付いたルディが、セルシアの名前を叫んだ。その声に反応したように、中からカイリ達が飛び出す。
「セルシア!!良かった!!心配してたんだよ!?」
カイリが言いながらセルシアを抱き締める。一瞬驚くセルシアだが、すぐにカイリを押し退ける
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