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「お兄ちゃん!!お客だよー」
セルシアの手をひっぱり、元気に扉をあける金髪の少女。
「一カイリ!!入り口はもう少し静かに開けなさい」
カイリと呼ばれた少女は、ごめんなさいとペロっと舌を出し、扉をぱたんと閉める。
長身のすらりとした男性があきれ顔でカイリを見ている。
「改めて自己紹介するね。あたしはカイリ。カイリ・エトルリアン。んでここがあたしの家で、あれがお兄ちゃんのルディ」
自分の紹介をしながら、カイリは兄、ルディの紹介を始める。カイリの兄だという青年は、腰までの青髪を一つに束ねた、長身の物静かな青年だった。ルディはセルシアに近づくと丁寧にあいさつを始めた。
「ようこそ。片翼の天使へ。ここのマスターのルディ・エトルリアンと申します」
…本当にこの2人は兄妹?とてもそうは見えない。騒がしい妹に、紳士な兄。
「あっ。あたしはセルシアです。セルシア・スコティッシュ。さっきカイリちゃんに…」
「カイリでいいよ♪あたしもセルシアって呼んでいい?」
カイリは、とても人懐こい娘だった。外部の人間と関わったことのないセルシアも、すんなり打ち解けられた。
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