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***
ーーーな
ーーうな
…なに?
「……夕奈(ゆうな)?」
「はぅあぁっ!?」
間抜けな声をだし、がばりと起き上がった私は、何故此処にいるのだろうと思い、辺りを見渡した。
「どうした?夕奈?」
心配そうに、親友の理都子(りつこ)が顔を覗き込んでくる。
まだ頭がボーっとしていたが、必死に頭を働かせ考えて答えた。
「…なんか…怖い夢を見てた様な気がするんだけど……あれ…?なんだっけ…?」
夢の記憶が、無い。
「忘れたの?まぁ良くあるよね~目覚める直前まで覚えてたんだけど起きた瞬間に夢の記憶飛ぶのよねぇ…。」
「…うん…。」
肯定する答えを示したのだが、何故だか腑に落ちない感覚。
これは自然に忘れたんじゃない。
無理やり忘れたんだ。
記憶の底に沈めて、二度と思い出さない様に。
…願わくば思い出すような出来事が無いように。
急に身震いがした。
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