初めまして、白き獣との出逢い

3/7
前へ
/7ページ
次へ
桜華は自分の身体よりも太い幹に凭れながら、深いため息をついた。 「『主として認めるわけにはいきません』・・・か・・・・。やっと、トラと友達になれたのに・・・」 桜華は、そう呟くと目を閉じ、寝息をたてはじめた。 「だっ、誰か!?助けてっ!!」 繭羅は、何もない空間の中で、必死になって逃げていた。 深い闇が段々と繭羅に近づいてきた。 そして、闇が繭羅を呑み込もうとした。 「いっ・・・、嫌ぁ――――――――――っ⁉」 「‘風の旋律’‼」 繭羅の悲鳴と被る位大きな男性の声が響いた。 それと同時に闇が消え、目の前に見馴れた自分の部屋の天井が見えた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加