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第一話
暖かな日差しと風が漂う今日この頃、休みでもない平日に中学生が起きなければいけない朝の時間に目を覚ましたがあまりの暖かさにまた瞼が落ちそうになる。
ベットのそばにある窓を開け、日差しが入らないようにカーテンは閉めてあり、風がカーテンをなびかせながら部屋の中を暖かくする。ポカポカと温まる布団がまた気持ちよく、安らかな眠りを与えてくれる
今の時刻は7時半くらいだろうか・・・
窓の向かいにあるドアの方から階段を上がってくる足音。きっといつものことだからを起き上がることなく、布団を深く被った
―コンコンッ
「起きなさーい!学校に行かなくていいからって・・・」
親が扉の向こうでノックをしながら俺を起こそうと何かしら言っているようだが、俺はそれを無視し、二度寝の体勢に入る。
いいじゃねぇか。学校がないから寝られるんだろ?
今は三月。中学3年生の俺はこの前、学校を卒業したばかりだ。
高校もこの前の公立受験を受けて合格していて、今は四月から高校への準備まで、夏休み以来の長い休みを楽しんでいる真っ最中なんだ。
「いい加減に起きなさーい!雫ちゃんが来てるのよ!」
誰が来ようが俺は絶対に起きない!
なんて思いつつ、やっと眠気が襲ってきた頃にさっき母親が言っていたことを何故か思い出す
『雫が来てる・・・?』
「おばさん、待てないから勝手に入るね。私が起こすから」
ドアの向こうから聞こえたまだ幼さが少し残る可愛らしい声に俺は嫌な気持ちになってしまった。
今の声は間違いない・・・
そんなことを思っている間に
―バダンッ!!
閉じていたドアが勢いよく開き、布団を深く被っている俺の近くまできて
「起きんかー!馬鹿幾―!」
大きく息を吸ってから家の中まで響くくらいの声を出して、俺を起こす。こんな大きな声で起されたらさすがに起きないとやばい。同じ日に二度も大きな声で起されたらたまったもんじゃない。
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