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第二話
「ねぇ、行ってみない?」
雫のその一言でその謎の学校へ体験入学しに向うことになった。
体験入学が行われる日はいつかと、手紙をよく読んできたら手紙の一番下に地図があり、その地図の下に書かれていた。
『午前9時に玲鳳(れいほう)町の路地裏広場にてお待ちください』
玲鳳町は俺たちが住む町の隣町で、その路地裏広場と言えば・・・よく隠れライブがあるヒミツの場所とも言われる。
その広場は夜しか騒ぎが起きないのは知っているから、少し安心している。
だが・・・なぜそこで待たなきゃいけないのかはやはり謎だった・・・。
次の日の朝。俺と雫はあの手紙の内容が本当なのかを調べるべく、地図に従いやって来た。玲鳳町の路地裏広場に足を運んだのは初めてだ。夜に隣町まで出歩くことはないし、用事がなければ来る事はない。それは雫も同じ
だが、その場所に俺たちははじめて来た。それも学校があるのかと思いきや・・・
「学校なんてないぞ」
「変ねぇ、地図に書かれているとおりに来たのに」
確かに地図ではここを指定されている。と言うことは迎えが来ると言うことなのか?いや、騙されてしまったとか・・・
雫の一言がきっかけでめったに来ることがない隣町まで朝早く起きてここまできたというのに。
『騙されたと思って行ってみよう』?
おもいっきし騙されているのでは?
「9時にここだって言っていたから・・・迎えが来るんだろうな」
「あと少しね・・・」
腕時計を見ながら、そう呟く雫。
迎えが来る・・・この路地裏広場に車は入れない。人しか入れない広さとここまで来るまでの道。こんなところに来るなら人だけだと考えるのが妥当だろう。たぶん・・・
只今、時刻は朝の8:57。あと三分ぐらいで本当に来るのだろうか・・・?それも一体どんなやつが・・・?
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