悠久の闇。

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くぐもってはいるが、狂気じみた悲鳴に、男は微かに眉を動かしただけだった。   ゆっくりと内臓の上で、胃を切り開く。 胃酸はpH1~2と云う、強酸性。 男は自分の手に胃酸がかからないよう、慎重に開いて行く。   ポタリ、と胃酸が落ちた内臓が溶けていく。 女性はもがきながら、くぐもった叫びを上げ続ける。   停滞した空気の中、ふと男は顔を上げた。   「楽しそうだね、お兄さん?」   無邪気な微笑を浮かべた少年が、そこに居た。
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