場の空気を読む前に☆！

困った、転校生

　例の女性に連れられ、僕は職員室に辿り着く。

　職員室内では、朝の一件が既に知れ渡っていた。

　教職員達は群をなして僕を質問攻めにした。
　横に居た例の女性も、初めは毅然とした態度で先生方を叱っていたが、いつまでも落ち着く事のないまるで学生のような反面教師の姿を見て、遂にさじを投げる。

　そんな混沌の間と化した職員室の中、

『黙りなさい！』

　一喝が響き、あれほど慌しかった職員室は静まる。

　そして静めた人物は、こちらに悠然と近付いてきた。まるで花道を開けるかのように、教職員達は道を開ける。

　開いた道を颯爽と闊歩し、現れた人物は若い女性。
　その女性は僕の担任と名乗る、教職員だった。