困った、転校生

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「すぅぅ~~……はぁぁ~~」  キンチョーを和らげるために、悪い物を体内から出すかの如く深呼吸。終わると、睨むように目前の物体を見詰める。  目前の物体とは木製で作られた、擦りドア。このドアを横に引けば、僕がこれからすごす事になる教室に通じてしまう。  その現実を意識して、全身にまたキンチョーの虫が走ってきた。 「すぅぅ~~……はぁぁ~~」  また深呼吸で気持ちを落ち着けようとした時、 『ええぇぇ!? 噂の転校生って、女じゃねェーの? マジで!? ……はぁ、最悪』  教室の中から、こんな声が聞こえて来ましたけど?  悪かったよ、女ではなくて! 悪かったよ、最悪で! 悪かったよ、期待を裏切って! 「ほら。あんたが早く開けないから、今みたいに余計な声も聞こえてくるのよ」 「はは、はは……あ、あのような人ばかりではないから、安心して良いですわよ、公平さん。と、とにかく、頑張るのですわ!」  意気込んでいる最中にあんな事を言われたら、ハッキリ言って教室に入れない。  これがまだ慣れた教室なら良かったが、転校初日で、しかも遅刻してとなると……
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