7人が本棚に入れています
本棚に追加
皆さんが一様に僕を見ながら、唖然としたようなポカーンとした表情を浮かべている。
満面の笑みの筈が、いつの間にか僕は苦笑いを浮かべていた。
な、な、何かやっちまったか!? 僕ぅぅーーーー!
僕が胸中で号泣した刹那、
「すっげぇぇーー! 予想外過ぎる!」
「外人って!? 外人って!? 外人って!?」
「格好良い! 私の彼氏んなって!」
「……ふむ。外人が形式ばった挨拶をチョイスするとは……中々インパクトが強いな」
「透き通るような金髪が綺麗だね。今回はかなり競争率高そうだわ」
一瞬にしてクラスは湧き上がった。
「え? え? え?」
何がなんだか分からず、オロオロと辟易してしまう。
僕が狼狽している間も、クラスの皆さんは話を進めていく。
「転校生のキミ! 是非、柑座(かんざ)組合に来ましょう!」
「お初にお目にかかりますわ! 山鼓(さんこ)組合に来るわよね!?」
一人の男性と、一人の女性が椅子から立ち上がる。
「なにぃ!」
「ハッ!」
立ち上がった男と女は、教室の端と端で睨み合う。
最初のコメントを投稿しよう!