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チュンチュンと、心地よい鳥のさえずりが聞こえる。
雲の隙間からのぞいた陽光が、僕の体をつつむ。
ふとアスファルトに視線をやる。すると夜の内に通り雨が来たのか、水溜りが光を反射していた。
「よっと」
ちょっとガキっぽいかな?とは思ってみたけど、水溜りをジャンプして飛びこえてみる。
「お? お? ふぃ~~」
危なっかしくも少しよろけたが、何とか不時着成功した。
そして気を取り直し、歩きだす。
「さて、どうなるモノかなぁ」
少し雲がかかった青空を仰ぐ。
民家の軒下からは、雨粒がポトリ。
青草が鼻腔をくすぐった。
見慣れない光景を横に、僕は気を引き締める。
そう、ついに今日が、人生初の転校日となる。
「ははは、転校初日にイジメられたりして」
「……」
「……」
われながら縁起でもない。
そういうのは、ちょっと勘弁願いたいものだ。
「ま、僕に限ってイジメはないと思うけどね……多分」
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