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クラス中に感染していく白い目線に、僕は背筋に悪寒を感じて、頭痛を覚えそうだった。
「……………………」
彼等の声をこれ以上聞きたくない。耳を防ぎたい。
でも転校初日に変な姿を見せたら、僕は今後大変な事になるだろう。
ここは意地でも耐えろ、僕。
どうにかして、この場を誤魔化そう。それなら僕は得意の筈だ。
とにかく一刻も早く、
「皆さん! 珍しく転校生が来たので浮かれる気は分かりますが、少しは落ち着きなさい!
外から来た人にそのような質問をしても、意味が通じない事ぐらい貴方達もご存知でしょう?
佐藤先生も自分のクラスぐらい、確りと統率をお取りなさい! 貴方が取らなくて、誰がこのクラスを纏めるのですの?」
教室の空気を、全て貫くような凛とした声。
僕の真横から聞こえてきた声は、水を打ったかのように教室を静めた。
「?」
僕はその声で我に返り、声のした方角を見る。
すると視線を移した先には、例の女性が竹刀を片手に佇んでいた。
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