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「ん? 何かな? 」
声のした方角に視線を向ける。
すると振り向いた先には、制服姿の女性が仁王立ちで佇んでいた。その女性は何でか、竹刀を持っている。
「この社会のゴミめ! 私が成敗してみせますわ。覚悟をしなさい」
「んん? 何で僕が、社会のゴミなのかい?」
女性が竹刀をこちらに差し向ける。
当然の疑問を投げかけたつもりだったけど、彼女は肩を竦めた。
「フン、良くそのような大口が叩けるわ」
「どういう事ですか?」
「どこで我が校の制服を手に入れたかは知らないけど、生憎私は生徒の顔を全て記憶しているのですわよ。言い逃れは出来ませんわ」
ゴミでも見るように、侮蔑を含んだ視線を向けられる。
一般階級では聞き慣れない口調。透き通るように手入れの行き届いた金髪。まるでフランス人形のように丁寧に化粧を施された顔。特殊な優雅さを兼ね備えた、微妙な手先の仕草。言葉から受ける価値観。
相手の言動ををさり気無く確認して、冷静に口を開く。![image=95329706.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/95329706.jpg?width=800&format=jpg)
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