困った、転校生

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 さて、どうするかね。  今日は転校初日。学校に入らないと言う選択肢はない。  問題はこの女性をどうするかって所。普通に考えれば、納得するまで説明するか、教員が来るまで待つか、それとも無視するかが王道か。  だが例の女性を見る限り、何やら挑発してきてるみたいだ。  別に彼女の挑発に苛立ってるワケではない。だけどこの先の事を考えると、彼女に従っていた方が、この場合一番得策のように思える。  それなら、ちょっと付き合ってみようかな。 「では、お言葉に甘えて……僕も覚悟させて頂きます」  逡巡した後に、僕は胸の前に両手を構える。  「フン。どうやら腹を括ったようね。その構えは何かの拳法?」  僕の動作を見た途端、女性は上機嫌な表情を浮かべた。  「そうですね。……インスタント拳法と言われています」  例の女性を眺めながら、両の手をユラユラと揺らす。  蜿蜒と揺らめく両の腕は、見る者にヘビを彷彿させる。相手を油断させつつも、確実に息の根を止めるような拳法。 「……」  構えを見た例の女性は、気を引き締めたのか再び竹刀を構え直す。
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