六甲山

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何日かが過ぎていったのだろうか… これでは何も変わらないと思いたち、いつもみんなで走ったあの場所で待ってみる事にした。   免許のない私はいつも彼の後ろ、あの日も彼の背中に抱き着いて二人大声で笑いながらあの恐いけど、夜景のキレイなあのカーブを越えた。 1番綺麗に夜景が見渡せえる、二人初めてキスをしたあの場所に一人立ってみた。   一人で見る景色と二人で見る景色はこんなにも違うものだろうか。 何も変わってないはずなのに周りだけが急ぎ足で変わっていくような気さえしてくる。   ここに来て何時間経ったのだろう、彼のことで頭がいっぱいで時間の感覚さえも忘れてしまったみたい。   すると遠くから聞き覚えのあるスロットルの音が聞こえてきた。いつも一緒に乗っていたのに、何故かもう懐かしいような感じさえする。   彼は私に気がつくだろうか・・・ あのカーブを越えたら彼が見えるはず… ちょっと危ないけれど、きっと減速で入ってくるだろうし、ここに立っていれば彼の目に留まるはず。   タイヤの音が近づいてきたのを確認して、道の真ん中に両手を広げて立ってみた。 危ないと怒られるかもしれない。もう終ったのにと言われるかもしれない。 でも今の私にはこうして彼を待つしかすべがないようにも思えたのだ。
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