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ある日、いつものように市場に薪を売りに出掛けた
相変わらず客付きは悪く物珍しめに観ていく人ばかりだ
実に不愉快な風景だ
「くせー何だコノ匂い、うぇ」
「本当だ、かび臭い匂いがすると思ったらお前か」
大柄で品の悪い男二人組、ゴンとズウだ、僕はこの二人が大嫌いだ
「何しにきたんだ商売のジャマだ、向こう行けよ」
オイラは噛み付くように言い放った、二人は首をすくめ顔を見合わせ笑いながら歩きだした
「何で言い返さないんだよブン殴ってやれば良いのにハルクの意気地なし」
ハルクは何も言わず頭を撫で回すだけだった。
薪もある程度売れるといつものようにパンを買って家路を帰る。
薄気味悪い森の上り坂を登り廃墟とも言いがたい小屋が在る、しかし中は頑丈な作りで外観からは想像も出来ないほどだ。
二階には真っ赤な大きな扉があったが、階段はドコにもない、聴いても答えてはくれなかった、
ただ頭を撫でるだけだった
その夜何か物音がしてオイラは目を覚ますと、玄関の扉が開いていた、扉から外を見回すと森に人影が見えた。
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