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人影はみるみる森の中に消えていった、
何故だか分からないが、後を付けなければならない気がした。
小走りに森に近づき真っ暗な森を見渡すと遠くに微かに光が見えた。
光に吸い寄せられるように近づいていくと、人目を避けるように木に囲まれた家が建っていた。
「いい加減にしやがれ」
「ぃ・・ん・・・ぁ・・」
中からドスの効いた低い声と、ゴニョゴニョした声が聞こえた、何故か聞き覚えがある声だ
中の声が急に小さくなり、ヒソヒソと話しに変わりだした
意を決して、近づき窓からソット覗くと 老婆が一人編み物をしているだけで他には誰も居ない。
老婆の指先が止まるとユックリ顔を上げコッチを視ると、ニッコリ笑った。
次の瞬間
稲妻が走った。
目の前が真っ白になり
意識が薄れていく・・・
薄れる意識のなか懐かしい声を聴いた
「アッ・ュ・・イ・ーーーァ」
忘れてはいけない声だ
涙を流し目を覚ますとソコには異様なほど白い世界が広がっていた。
「誰か、誰も居ないのーおーい」
呼び掛けに反応は無い。
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