第二章 祭~ギシキ~

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 伍、マレビト    この村に訪れた村人以外の者を指す。私もマレビトと言うことになる。しかし、他の閉鎖的な村とは違い、この村の人間は皆、マレビトである私に大して非常に友好的だ。おかげで調査がとても捗っている。 他にも気になる点は多数あるがまだ情報がたりない。 「紫境村?それがこの村の名前なのかな」 美古都は本を閉じ、情報を獲ようと本棚から新たな本を取り出そうとするが、他の本は湿気を帯びていてページが破れていたり、文字が読み取れないなどで、とても読める状態ではなかった。 本から情報を得るのを諦めた美古都は、部屋から出て、囲炉裏部屋から奥へと続く廊下を歩いて行く。 「そういえば、さっきの本に書いてあった『大雨乞い』って、昔おばちゃんもよく言ってたなぁ。 でも、なんでおばちゃんはこの村のこと知ってたんだろう?」
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