第一章 罪~オモイデ~

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 皆代の森 美古都の家に近くにある大きな森で、樹海とまではいかないものの、広大な面積を誇る。それ故に毎年数多くの遺体が見つかっている。 そんな中に彼女、美古都の姿はあった。 「そう言えばおばぁちゃんが言ってなぁ。 この森は死者の森だから奥に行くと帰ってこれなくなるって」 昔、美古都がこの森で遊んでいたときに、祖母に起こられた記憶が蘇った。 普段は優しい祖母がこのときばかりは美古都を鬼の形相で叱りつけた。それ以降彼女はこの森に近づこうとしなかった。 「燈眞も……ここは避けて通ってなぁ……」 燈眞はこの森に近づくことすら嫌っていた。美古都がその事を聞いても「なんとなくだよ」と誤魔化していた。
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