74人が本棚に入れています
本棚に追加
真顔で言う私は狂気を纏う。ハルは恐怖からの錯乱を…。
「嫌だ！！ お前なんか嫌いだ！ 大っ嫌いだ！！ 消えろ、悪魔！！！」
「…？ え？ 私が悪まですって？」
「僕のお姉ちゃんは完璧なんだ！ 優しくて、賢くて…、完璧なんだよ！ お前はお姉ちゃんの姿をした悪魔だ！ お姉ちゃんを返せ！！」
春は何を言っているのかしら？ 私が貴方のお姉ちゃんよ？ 見て分からないのかしら？
「そんな事を言う家畜には、もう一度躾が必要ね。」
「黙れ！ 誰がお前みたいな悪魔に従うか！」
ハルは私に暴言を吐き捨てて自室に姿を消し、鍵をかけた。
「フフッ。馬鹿な仔。合鍵くらい作ってるわよ。」
私は静かにハルの部屋に忍び寄る。そして鍵穴に鍵を挿しこんで、右に回せば…。
「開かない！」
どういうことだろう？ 私には理解できない！
ドンドン…！！
扉を怒り任せに叩く。いや、殴る。
「ハル！ どういう意味！？ 開かないじゃない！」
しかし、ハルからの応答は無く、帰ってくるのは静寂のみ。
「ハル！ 出てきなさい！」
やはり、ハルからの応答は無く、またも帰ってくるのは静寂。
「ハル！ ハル・イルザ！！」
結局、ハルは出てこない…。私は諦めない。いつか、ハルと結婚するまで。ハル自身が私の従順な家畜になるまで。
最初のコメントを投稿しよう！