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「ハル兄…。大丈夫?」
「うぅ…、カズ。」
「レイ姉は馬鹿だなぁ…。ハル兄は怖いの嫌いなのに、知らないのかな?」
レイが怒りでハルの部屋の扉を殴っている時、ハルは義弟のカズの部屋にいた。ハルはカズの胸に抱かれ泣いていた。
「もう嫌だよぉ…。怖いよぉ…。」
「もう大丈夫だよ。僕がいるから。ハル兄はゆっくり眠ってて。」
カズがそう言うと、ハルはゆっくり頷きカズのベッドに寝転がり眠りに墜ちたようだ。
「可愛いよなぁハル兄。明日、訊こうか。レイ姉に殺されるか、僕の奴隷になるか。今ならきっと僕だろな。フフッ。」
カズはハルの横に寝転ぶ。そしてハルに抱き付く。
「ハル兄、発情の匂いがする。甘い、良い匂い。きっと明日は良い一日になりそう。…僕にとってはね。」
カズは笑みを浮かべる。レイとは違う天使のような笑みを。
「カズ! ハルは!?」
「ハル兄は僕の物だから言わない!」
翌朝、冷静になったレイは、ハルの匂いを嗅ぎ付け、カズの部屋までやってきていた。
ハルは真相を知らずに未だに眠っていた。黒い首輪を確りと握って。
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