2.出会い

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僕は死神のくせに、人の死を見るのが苦手でした。   死神が鎌を振り下ろすと、それまで動いていた人間が、一瞬でただのモノになってしまう……   魂は生きていると分かっていても、やはり死の瞬間は残酷な映像でしかありません。   ましてやそれを自分の手で操るなんて……   僕には出来ません。       「どうしたの?」   黙りこくった僕の顔を、ケンタが覗き込みました。   ケンタと目が合った瞬間、僕の脳裏にケンタの死顔が浮かびました。安らかな、白い顔が……   「ごめん」   やっとの思いでそう言うと、僕はケンタの前から姿を消しました。いや、逃げ出したんです。     こうして、僕の任務最初の日は幕を閉じました。
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