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「あっははははは!!」
ケンタは大声で笑いました。
「ごめん、驚かせたりして」
僕は黙っていました。
「昨日は突然帰っちゃうんだもん、ずっと君が戻ってくるのを待っていたんだよ」
ケンタは笑いながらベッドに戻りました。途中、一瞬だけ苦しそうに胸を押さえていました。
「昨日はどうしたの?」
ケンタが訊ねました。
「ちょっと、用事を思い出しちゃって」
僕は嘘をつきました。
「そう」
ケンタは特に気にする様子もなく、軽く言いました。テレビでは、野球がやっています。
「そういえばさ、君がどこから来たのか、まだ聞いてなかったよね?」
僕はドキリとしました。
まさか、死神の世界から来たなんて言えません。
僕は曖昧に笑って、青い空を指差しました。
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