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8月の、暑い盛りの頃でした。
僕は青空と、綿飴みたいな入道雲の間を縫って例の病院へ飛んでいきました。
あの子はちょうど、テレビで野球を見ているところでした。
あ、野球っていうのは、人間が考えたスポーツの一種です。一人が投げた球を、少し離れたところにいる人が棒で打つんですよ。そしてその打たれたボールを他の人が走って取っ――
すみません。話がずれてしまいましたね。
とにかく、僕は病院の窓から堂々と男の子の部屋に入りました。
でも、不思議なんですよ。
ほら、僕たち死神の姿って人間には見えないはずじゃないですか。
なのに、あの子には僕の姿が見えたらしいんですよ!
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