2.出会い

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  僕は初めてそのことを知りました。   だって、ほら、死神の世界はいつも真っ暗じゃないですか。「こんばんは」としか言いようが無いですよね?   それに、たとえ人間の世界に行っても、誰とも挨拶する必要はないんだから――   あー、はい。分かりました。続きをお話します。     「じゃあ、こんにちは」   僕は改めて挨拶し直しました。   「そうそう、こんにちは」   男の子は笑いました。死神の僕が言うのもなんですが、本当に天使のような笑顔でした。   ――あ、はい。すみません。もう天使なんて言いません。   すると、男の子は笑いながらも、不思議そうな顔をして僕にこう尋ねました。   「君、不思議な格好をしているね。どこの子なの?何て名前?」
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