2.出会い

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「ルイ」   僕は、「どこの子なの?」は無視して、名前だけ答えました。   「わぁ!ルイっていうんだ!いい名前だね!」   男の子は目を輝かせました。   「年はいくつ?」   「分かんない」 僕は肩をすくめました。 「数えたことないから」   「へえー」   男の子は不思議そうな顔をしました。   「君、変わってるんだね。でも、ぼくと同じ10歳位に見えるよ。あ!ぼくはケンタ。健康の健に、太いって書くんだ。まぁ、病気なんだけどね」   ケンタは少し悲しそうに笑いました。僕はなんだか、自分が悪いことをしたような気分になりました。   「ルイは野球好き?」   ケンタが明るい声で言いました。少し、無理したような声でした。   「やきゅう?」   僕は繰り返しました。   「そう!野球!」   ケンタは四角い箱――テレビというんだそうです――の方を向きました。   「野球、知ってるでしょ?」   僕は首を横に振りました。   すると、ケンタはテレビの画面を僕によく見えるようにしてくれました。
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